こんにちは!
未来のための暮らし方を発信しているYaiYuです。
みなさんは「DAO」と言う言葉を聴いたことがあるでしょうか?
読み方はそのまま「ダオ」です。
実は、株式会社というものができて以来のイノベーションと言われています!!
DAOは「Decentralized Autonomous Organization」と言い、
- Decentralized(分散型)
- Autonomous(自立している)
- Organization(組織)
つまり自立して分散している組織のことを言います。
自立して分散?頭パニック!!ってなりません?
非中央集権的(Decentralized)で、政府や民間セクターのアクターから独立して運営され(Autonomous)、組織(Organization)であるべきだということです。
通称「自律分散型組織」です。

カンタンに言うと「社長がいない、みんなで創る会社」です。
株式会社のように誰かの命令で動くのではなく、
各々が自発的に動き、その結果と組織が成長していく、そんなイメージを持っていただいて問題なしです。
今までは「株式会社〇〇のCXOの△△です」と名乗っていたのが、
今後は、〇〇DAOの、△△です!の方がカッコいい、そんな時代がくるかもしれないのです。
なお、本記事では、下記の様々な専門用語が出てきます。
専門用語リスト
- Web3.0(ウェブスリー)
- ブロックチェーン
- NFT(エヌエフティー)
- トークン
- DiFi(ディーファイ)
- GameFi(ゲームファイ)
- Metavarse(メタバース)
もしよく知らないという方には、記事を読んでもチンプンカンプンになる可能性があるので、先にこの記事をお読みください!
一気に理解が深まります。
>>誰でもわかる「Web3.0」の教科書。ブロックチェーンが実現する「次世代インターネット」を徹底解説(NFT・DAO・DiFi・GameFi)
本記事は
DAOとは何?なぜ注目されているの?
DAOの事例や働き方、そして可能性と課題について徹底的に解説していきます。
なお、文字数は2万文字で、およそ10分ほど読み終わるのに時間を要しますが、
読んだ後、ちょっと幸せになれるので最後までお付き合いください。
目次
DAOとは?
まずDAOとはいったい何なのでしょうか?
下記の順に詳しく解説していきます。
DAOとは?
- DAOの可能性とは?
- DAOの課題とは?
- 成功するDAOとは?
DAOの特徴
まずはDAOの特徴を見ていきましょう!
大きく分けて3つあります。
DAOの特徴
- 管理者(社長)がいない分散型組織
- 透明性の高い組織
- 誰でも参加できる組織
管理者(社長)がいない分散型組織
DAOは、元Coinbaseの「Linda Xie氏の記事」から、次のとおりに引用します。
A decentralized autonomous organization (DAO) is a group organized around a mission that coordinates through a shared set of rules enforced on a blockchain.
【翻訳】
DAOとは特定の目標ありきで形成されます。そして目標に向けたルールの調整は全てブロックチェーンの上で実行されます。

なので、DAOを株式会社と比較し、ブロックチェーンも含めてまとめてみます。
- 株式会社:目標達成のための組織で、意思決定は経営者が決めトップダウンで社員に降りてくる
- DAO:目標達成のための組織で、意思決定はブロックチェーン上で行い仲間に分散される
従来の株式会社のような組織は、会社の方針を社長が決め、役員、社員とトップダウンで物事が決まってました。
もちろん給料などの額や管理もTOPが行うものです。
一方DAOは、そのプロジェクトに関わった全ての人たちで、お金のことやプロジェクト、今後の方針についても決めていきます。
ぶっちゃけ、社長がいないのにみんなでどうやって決めるの?
と思いませんか?
実際、それを可能にしているのが「ガバナンストークン」です。
ガバナンストークンとは投票権をもつトークンと思って欲しいのですが、ブロックチェーン上のツールを用いて、「DAOの方針などの提案」を選挙のような投票を行い、決めていきます。
投票によって多数決により決まったことことに、共通の目的意識を持ち、各自、その目的に対して行動し、その頑張りに応じてトークン(報酬)が得られるということです。
ちなみにDAOも、株式会社と同様にサービスやプロダクトを市場に提供し売上を得て存続していきます。
そこでの売上は「トレジャリー」というDAO用の口座に入れられ、スマートコントラクト上のルールや都度の投票に基づいてトークン(報酬)がDAOメンバーに送られていくわけです。
透明性の高い組織
みなさんは株式会社は透明性があると思いますか?
それは「No」ですよね。
上層部の会議って数人が集まり、その会議で決まったことって結局、端的にしか会社全体に降りてこないことが普通ではないでしょうか。
しかし、DAOは大きくそこが異なります。
- DAO内のスマートコントラクトは、すべてブロックチェーンに記録され閲覧可能
- コミュニティ運営はDiscrod上で行われることが多く、そこでのチャットは誰でも閲覧可能

DAOの方針や自分の給料が世の中に公開され、
会社で使っている「slack」や「chatwork」のようなチャットツールの内容が外部に見られ放題ってことです。
しかし、今までのWeb2.0の世界では、
GAFAMが「個人情報の独占」「所有権の独占」が行われていますよね。
DAOはそれを許さないかのように真逆に進み、しかもそれを可能にしているということが魅力的ですよね!
誰でも参加できるから「世界中の人が働ける」
ここまで読んでいただければDAOってすごい!
と思った方が大半だと思います。
じゃあ、どうすれば参加できるの?
とのことですが、
インターネットにアクセスできる人であれば、誰でも参加可能です。
さらに、ガバナンストークンを保有したり、購入したりすることができるため、DAOにおける意思決定権すら持つことができます。
ついこの前まで(今でも)
地方に住んでいる人は職を求めて東京へ、途上国に住んでいる人はアメリカへ雇用を求めて移住していますよね。
でもこれからDAOがより広がっていけば、
住んでいる場所や年齢など関係なく、インターネットにアクセスできる人だれもが世界中で働く機会を得れる、そんな世界になっていきます。
さらに、世界中に銀行口座を持てない人々の約17億人いるとされていますが、
スマホやPCがあれば、今やMetamaskなどのウォレットを、個人情報なしで持つことが可能です。
ウォレットがあれば、トークンによって報酬が支払い可能になるので、銀行口座を持っていなくても、まったく問題なしなのです!
私は昔フィリピンに留学していたのですが、フィリピンは平均年齢が26歳(ちなみに日本の平均年齢は47歳)と若く、かつ人口も1億人を超えています。
正直、若い人が溢れかえり職がなく、
デパートに行けば、1フロアに10人も20人も従業員がおり、その多くは10代、20代です。
その当時で確か時給200円なかったぐらいだと思うのですが、それでも働くところがないので働きます。
今後は、「生まれた場所」「性別」「年齢」によって選択肢を制限されていた人たちが、世界中のDAOにアクセスできるようになり働くことが可能になります。
フィリピンのように、若い人が多く、通貨価値が低い国に住んでいる人にとっては、DAOを通してデジタルネイティブに稼ぐことで、大きな富を得ることも可能になってくるでしょう!
日本の「失われた30年」をDAOで取り戻せる(かもしれない)
日本はこの30年で、国際的にも大きく競争力を落としています。
これがDAOによって少しくらいつけるのではないのか?
そう感じています。
その理由に、
今までの株式会社のようなトップダウンの構造では実現できないことをDAOは実現できるからです。
トップダウンの組織は目標を達成するために、労働者を拘束し強要し、時には洗脳してきました。
結果、そこに生まれたのは成長ではなく、経営陣の独占だったことは日本と世界の30年を見ているとわかりますよね。

でもDAOが違います。
株式会社よりもめちゃくちゃ入りやすい上に、
DAOへの投資も株を買うわけではなく、カバナンストークンを買うだけなので、DAOから無料でもらえたり、取引所やDEXでも流動性があるのであれば投資可能です。
また、そのDAOが成功した暁には、ボラティリティが大きいため報酬もたくさんもらえるでしょう。
今までとは違う構造によって、この先、日本が世界がDAOによって変わろうとしている、そこに私はロマンがあると思っているんです。
このようにDAOによって、もはや民主主義が機能しなくなってきている日本を変えれるかもしれません。
DAOの課題
とはいえ、現状DAOは数々の課題があります。
DAOの課題
- 日本の法律
- セキュリティ
- 複雑なオペレーション
日本の法律
日本において、DAOが完全にDAOとして運営できない最大の理由は、暗号資産の税金の高さです。
暗号資産は税金の中でも、「所得税」に分類され、10種類の所得税の中で、ほとんどが「雑所得」という項目に区分されます。
雑所得の特徴として「累進課税制度」が適用されます。
この税率がなんと最大45%でさらにプラス住民税の10%なので、合計「55%」の税金が課されることになります。
課税される所得額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円未満 | 5% | なし |
195万円以上330万円未満 | 10% | 9万7,500円 |
330万円以上695万円未満 | 20% | 45万7,500円 |
695万円以上900万円未満 | 23% | 63万6,000円 |
900万円以上1,800万円未満 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円以上4,000万円未満 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
実は「仮想通貨による儲け」による税金の高さは、汚名の「世界No.1」なのです!
仮想通貨よる利益が雑所得に含まれる以上、
DAOのトークンを用いたビジネスにおいては、売上が仮想通貨になるので当然、税金がかかってきます。
法人税の扱いならともかく、売上が所得税として半分以上が税金で持っていかれたら、正直、ビジネスが成り立たないですよね。
現状ではその解決策は法が変わることしかなく、
日本でCryptoに関連した起業をするのであれば、海外に移住して起業した方がいいと言われているほどです。
実際に、すでにアメリカやシンガポールに移住して起業したり、その土地のCrypto法人に入社したりしている日本人が数多く存在しているのが現実です。
セキュリティ
セキュリティ問題で1番の事件といえば、
2016年6月に起こった「The DAO」に集まった1億5000万ドル相当のハッキング事件です。
TheDAOとは、イーサリアムコミュニティのメンバーがお金を出し合って投資ファンドを作り、
投票によって利益を上げていくためのプロジェクトです。
しかしながら、ハッキングによって集まった金額の1/3が抜き取られました。
DAOはブロックチェーン技術を基盤にしているため透明性が高くなっています。
しかしそれは、ハッカーも含む全ての人に、コードが公開されているということも同時に意味しており、The DAOハッキングは、この脆弱性を狙ったものになります。
5年も前の事件なので、現在は大きく進化しておりますが、今後もセキュリティに関してはDAOの最優先課題となるでしょう。
またCryptoの世界に触れたばかりの人からすると、リテラシーが低くセキュリティ面に気をつける必要があります。
「Metamask」などのウォレットから暗号資産が、さらに「NFT」が盗まれる事件が毎日のように起こっています。
私も、セキュリティ面の記事を今後は書いていきたいと思っていますが、マナブさんが、盗難事件のツイートをしていたのでご紹介します。
✅NFTの「盗難事件」についての解説
2日前に「larrylawliet.eth」というユーザーが、所有するBAYCを盗まれました。総額「3億円以上」の被害です。被害の詳細は「引用元のツイート」で解説されています。とはいえ、英語で難しいので、わかりやすく解説しようと思います😌 https://t.co/6EgvqCvsu7— manabu.nft (@manabubannai) February 2, 2022
複雑なオペレーション
DAOは、基本的にほぼすべてオンラインで、かつ匿名で貢献度を可視化する形で業務を遂行していきます。
今後はさまざまなDAOツールによって、オペレーションは飛躍的に進化するとは思いますが、
まだまだカスタマーサポート、交渉が必要な場合に不向きです。
さらに日本はまだDAOが存在しないですが、
海外のDAOで働くのであれば、英語でのコミュニケーションが基本ですので言語のハードルもあります。
一方オペレーションがシンプルで、かつグローバルにスケールする業務はDAOに適しています。
DeFi(分散金融)がその領域に該当するので、「Uniswap」や「SushiSwap」などのDEXにDAOがおおいも頷けますね。
成功するDAOとは?
ビットコイン
驚きかもしれませんが、もっとも成功したと言われるDAOこそ「ビットコイン($BTC)」なのです。
ビットコインだけでなく、イーサリアムなどの暗号資産は、
通貨を管理する「中央銀行」が存在しません。
同時に、発行を司る組織や流通を管理する組織が存在しないのです。
つまり、ビットコインは、国家や企業が運営している仮想通貨ではなく、
どこの国も、企業も、ビットコインの発行・流通には関与してなく、DAOと言われる所以がここにあります。
そしてこれらを可能にしているのが、「マイニング(発掘)」です。
もしご存知でない方はクリックすると開きますのでご覧ください!
成功するDAOの特徴
日本ではまだDAOは存在しない中で、じゃあ今後、成功するDAOとはどんなのか?
日本で今、最も多くのコミニティ人数を誇るのが「Ninja DAO」。
インターネットの世界でインフルエンサーであるイケハヤ氏が運営するDAOです。
そのイケハヤ氏がTwitterで成功するDAOについてツイートしていたので共有します。
ずっとDAOについて考えてるんですが、ここはけっこう大事だと思っている。
コミュニティの資源を使って、参加者がパーミッションレスに利益や満足を追求できて、しかもその結果としてコミュニティの資源が豊かになりうる
という好循環は、DAOの前提条件ともいえる。https://t.co/rrdWBbKRGu pic.twitter.com/cPNxoWBQ9f
— ikehaya-nft.eth (🥷, 🏯) (@IHayato) January 23, 2022
株式会社だと、資源は外部のメンバーに共有されていないし、内部のメンバーでも完全にパーミッションレスには利用できないのが基本。
参加者が利用できるコミュニティリソース(ブランド、影響力、ファンド……)を豊かにしていくことが、DAO運営の鍵になりそうだなーと思っています。— ikehaya-nft.eth (🥷, 🏯) (@IHayato) January 23, 2022
ただし、コミュニティリソースが有用になればなるほど、悪意ある利用者が参入してくるリスクも高まる。
「悪意の自律的な排除」までメカニズムに取り込めたら、DAOとしての完成度はさらに高まりますね。— ikehaya-nft.eth (🥷, 🏯) (@IHayato) January 23, 2022
まとめると、
2022年の1月の段階で、DAOと相性がいいといえる条件
参加者が、
・パーミッションレス:許可を得る必要なく
・コミュニティのリソース(ブランド、人材、素材、ファンド、顧客基盤など)を使って
・経済的な利益あるいは精神的な満足を得る機会がある
ポイントは「パーミッションレス」であることです。
参加者がDAOを通して、何らかの利益・満足を得るために、第三者の許可が必要な場合は、それたぶんDAOじゃないほうがいい気がしています。
補足的には、参加者が利益を得れば得るほど、コミュニティのリソースが豊かになっていく、という構造も重要。
とのことです。
実際、私もNija DAOのDiscordに参加しているのですが、
次々と「これやりたい」「あれやりたい」「それ私も参加する」など、積極的にプロジェクトが立ち上がり実行され、
スピード感を持って実際に成功しているのを目の当たりにしています。
これは優秀な方が多いのもありますが、それ以上にパーミッションレスにより素早く動けていることと、コミニティの雰囲気がいいことが挙げられます。
「経済的な満足」と、自ら行動することによる「精神的な満足感」。
成功しているDAOであれば両方を満たすことができ、その連鎖が広がっていくことでDAOは大きくなっている、そんな印象を受けております。
DAOの例
DAOは世界中で今もたくさん生まれ続けています。
DAOはさまざまなジャンルに分類できるので、
その分類ごとに、代表的なDAOをご紹介していきます。
DAOの分類
- Grants DAO(グランツダオ)
- Protocol DAO(プロトコルダオ)
- Social DAO(ソーシャルダオ)
- Investment DAO(インベストメントダオ)
- Collector DAO(コレクターダオ)
- Survice DAO(サービスダオ)
- Media DAO(メディアダオ)
Grants DAO(グランツダオ)
「Grants DAO」とは、世界で最初のユースケースとして正式稼働したジャンルのDAOです。
コミュニティは、資金をDAOに「寄付」を前提として、その資本の使途をガバナンスを通じて決定し、「経済的な利益ではなく共通の社会的課題解消」に重きを置いているのが特徴です。
最近では、UniswapによるUniswap Grantsのように、
既存のプロジェクトがあり、それに付随するDAOとして、既存のプロジェクトを活性させる要因として動いているものもありますね。
- CompoundのCompound Grants
- AudiusのAudius Grants
- AaveのAave Grants
なども同様です。
metacartel
Grants DAOで1つご紹介するとすれば、「MetaCartel」です。
唐辛子が踊っているロゴがなんとも可愛いのですが、
ミッションを、「Web3の技術者を増やし価値のあるオープンインターネットを加速および推進して、世界をより豊かで公平な場所にする」と掲げています。
MetaCartelは今や世界中で、DAppsの開発支援しており、
よりよいインターネット業界の発展のために、見返りなく貢献をするweb3の慈善団体のような感じですね。
「速く行きたいのなら、一人で行きなさい。遠くまで行きたいのなら、一緒に行きましょう。」
とも言っており、DAppsの開発に興味がある方は一度、足を踏み入れてみるといいと思います。
代表的なGrants DAO
Protocol DAO(プロトコルダオ)
次は「Protocol DAO」です。
まずプロトコルとはどういう意味でしょうか?
プロトコルとは?
コンピュータでデータをやりとりするために定められた「手順」や「規約」などを定めた規格
つまりProtocol DAOとは、
手順や規約の執行の自動化を開発する、主に現在では「DeFi」を中心に発展しているDAOのジャンルです。
皆さんもDifiを触ったことがあるのであれば、ご存知かもしれませんが、
「Uniswap」「Sushiswap」などのDEXや、
「Compund」「MakerDAO」など古くからあるDiFiなどが有名ですね。
面白いのは、譲渡可能なERC-20としてガバナンストークンを発行し、ある行動に対する動機づけを行うために、
ガバナンストークンを「無料配布」する、通称「エアドロップ」は大胆なマーケティング手法が話題になりました。

フェアローンチやファーミング、流動性マイニングといった言葉もProtocol DAO群から生まれた言葉であり、
DAOのマーケティングを引っ張っていっている存在でもあります。
Social DAO(ソーシャルダオ)
「Social DAO」とは、共通の関心を持つメンバー間で価値感を共有するDAOです。
従来のSNSとは違うところは、
そのコミュニティ内で、トークンが発行され、みんなに配られ保有したり、投票したりするのに使用する点です。
コミニティが盛り上がれば盛り上がるほど、トークンの価値も上がりキャピタルゲインを得ることがでます。
つまり、Social DAOのメンバーはコミュニティの価値を上げるために活動に専念するので、それゆえに活発で、自律しやすいという特徴があります。
Friends with Benefits (FWB)
Social DAOの紹介で、外すことができないDAOは「Friends With Benefits(FWB)」です。
「文化交流のDAO」という感じで、
世界中のWeb3.0のアーティスト、文化人、知識人が集まり、様々なプロジェクトを行なったり、交流したり、イベントを開いたりしています。
「デジタルシティ」を標榜するDAOであり、オンラインだけではなく、オフラインでのイベントも多数行っています。
最近は「アンドリーセン・ホロウィッツファンド」から約10億円の調達をしたことが話題となり、
DAOといえばFWBとまで言えるほど、有名なDAOです。
確かコミニティに入るのに審査が必要なので、他の、Seed Club、CabinDAO、Bright Momentsなどが有名なので、ソーシャルダオに興味がある方は入って勉強し、自分で立ち上げるのも面白いかもですね。
Investment DAO(インベストメントダオ)
「Investment DAO」とはその名の通り「投資DAO」です。
あるプロジェクトに共同出資することを目的にした営利目的のDAOで、
Grant DAOのように寄付ではなく、リターンを前提としているので資金が集まりやすくWeb3.0界隈では注目を多く集めているDAOのジャンルになります。
以下がInvestment DAOで有名どころです。
- ConstitutionDAO:米国憲法の原本の購入を目的
- Links DAO:ゴルフコースの買収
- Krause House:NBAチームの買収
- BlockbusterDAO:Blockbusterを分散型フィルムに変えることを計画(DeFilm)
Flamingo DAO
やはり投資とくれば今、熱いのはNFTですよね。
「Flamingo DAO」は、そのNFT投資のDAOです。
NFT投資とは、
DAO内のメンバーのお金を集めて高額なNFTを買って、それを転売した利益をDAO内で分けましょうということです。
世界最古のNFT「CryptoPunks」の「エイリアン型のパンクス #2890」を買っており、これは世界に9個しか存在しません。
2021年の1月23日に購入した当時は「605 ETH」で「761,889ドル (=約8,600万円)」でした。
しかし2022年1月では「2300ETH(=約10億)まで価値が上がっています。
Collector DAO(コレクターダオ)
「Collector DAO」は何かを収集するために結成されたDAOです。
その多くはNFTです。
Collector DAOは特定のアーティストやプラットフォーム、シリーズものなどを集める傾向にあり、NFTを価値づける役割として機能していると言えます。
有名どころでは、NSA内部告発者として著名なスノーデン氏が鋳造したNFTを525,000ドルで購入したPleasrDAOが有名だったり、
先ほどのFlamingo DAOもNFTをコレクトしており、所持しているコレクションはこちらで確認することができますよ

Survice DAO(サービスダオ)
「Service DAO」は、さまざまなサービスを持ったDAOです。
Service DAOをすべて訪れてみましたが、バリエーションがさまざまななので、簡単にご紹介。
- RAID GUILD:DAOの開発のお手伝いやマーケターとしてのサービスを展開
- DXdao:DeFi製品を開発、管理、および成長させるDAO
- MetaFactory:メタバースとNFTとアパレルが合体したDAO
- DAO Haus:DAOを紹介するDAO
この辺、情報が少ないので間違っていたらコメントください。
とはいえ、Service DAOは個人的には面白く、2022年は大きく増えそうなDAOジャンルだと感じています。
PartyDAO
Service DAOで例を挙げるとすれば、「Party DAO」です。
Party DAOとは、「PartyBid」を運営するDAOです。
PartyBidとは、グループで資金を出し合い、一緒にNFTオークションに入札することができるプロダクトです。
誰でもPartyを作成したり、参加してNFTオークションで入札をすることができます。
共同で入札することが大事なのは、通常のオークションでは、勝者は一人のみなので、
NFTプロジェクトに貢献して価値を高めてくれる支援コミュニティよりも、クジラの方が有利になってしまいます。
これに対応するために、共同で投資・保有するPartyを作れるようにしようとしたのがPartyBidです。
オークションの落札に成功した場合のみ、5%の手数料が請求され、
この手数料は、将来の開発資金としてPartyDAOに送られ、それを利益とするService DAOになります。
Media DAO(メディアダオ)
「Media DAO」とは、ニュースなどのコンテンツを提供するメディアをDAO化したものです。
暗号資産、ブロックチェーン領域でもディープなニュースレターを配信していた中央集権型メディアが分散モデルを志向した形です。
Fore Front DAO
FORE FRONTの仕組みは、とても面白く日本のメディアもこうなるといいなと思っています。
「Web3の創造的な遊び場への、無限のパスと道を解き放つデジタルハブ」というキャッチコピーのもと、
優れたコンテンツを提供するライターに対して報酬としてFFトークンを与えるというものです。
コンテンツはDiscordのチャンネルで申請し、ステークホルダーたちからの承認が得られたらTOPページにFEATUREDされ、FFトークンの得ることができます。
またこのDAOも資金調達を行っており、コアメンバーを積極的に募集しているようです。
コンテンツを提供することで、誰でも報酬が得られるのは、
今のメディアのあり方そのものを変えるのではないか?そんな気がしています。
他にもBankless、DarkStarというMedia DAOもありますよ!
DAOツール
実は皆さんの知らないところで、「DApps」というものがどんどんサービスを開始しています。
DAppsとは「Decentralized Application」の頭文字をとったもので、「分散型アプリケーション」のことを言います。
名称からわかるかもしれませんが、Web2.0で言うApp、つまりアプリのWeb3.0版だと思ってください。
現在のクラウド型から、ブロックチェーンなどの分散型フレームワークを基盤としたアプリになります。
ここからは、
DAOを円滑に行うためのDAppsも数多く存在してきていますのでジャンルを分けてご紹介していきます。
DAOツール
- DAO立ち上げツール
- DAOコミニケーションツール
- DAO財務管理
- DAO報酬支払いツール
DAO立ち上げ
まずは、簡単にDAOを立ち上げて管理できるツールをご紹介します。
こちらまだまだツールとしては発展途上で、どれも満足できるものではないのですが、
巨額の投資を受けているものが多く、今後はブログでいう「WordPress」、ECでいう「Shopify」のように「ノーコード」で簡単に立ち上げ可能なツールとして進化していきそうです。
Superdao
まずは「DAOを数秒で開始できる」と豪語している「Superdao」。
参加者のディレクトリー、トレジャリーのダッシュボード、貢献者の管理、ニュースフィード、サードパーティアプリとの連携などを提供しており、
時価総額は「$160M」と、今後は豊富な資金により、かなり使いやすいツールとなりそうです。
他にも様々あり、いろいろ触ると、どれもこれも面白いです。
Frameworks
Contribution & Reputation
- GITCOIN:Build and Fund the Open Web Together!
- Coinvise:クリエイター向けのツール
- RabbitHole:分散型アプリの使用方法と貢献方法が学べる
DAOコミニケーション
次は、DAOコミュニティのメンバーがコミュニケーションを取るためのツールのご紹介。
これは現状、「Discord」の一択にちかいです。
今後は、DiscordにWeb3の技術が加えられるのか?
それをもWeb3企業によって新たなツールができるのか?
また、「Twitter」は拡散など、マーケティングによって使われることが多く、
カスタマーサポートなど1:1のやりとりは「Telegram」で行われています。
Twitterに関しては、徐々にWeb2.5ツールとなりつつあり、
Web3版Twitterの開発も進んでいるとの情報なので、今後が楽しみですね。
DAOのガバナンス管理
DAOは、運営する際に、
- 資金をどう使うのか?
- 報酬はどれぐらいにするのか?
- 開発の順番をどうるのか?
様々なことを決める際に、ガバナンストークンによって投票を行い決定していきます。
snapshot
その際に世界でも日本でも、
もっとも使用されているのが「snapshot」です。
比較的、初見でも見やすく扱いやすいので、
投票に慣れていない方でもカンタンに行えるのがいい感じですね。
他にもあるので触ってみることをお勧めします!
DAOの財務管理
株式会社でもDAOでも、もっとも運営に大事な要素は「財務管理」です。
JuiceBox
なんとも面白い果物キャラが特徴の「Juicebox」。
イーサリアム上のスマートコントラクトを利用し、
プロジェクトを中心にコミュニティ構築、資金提供、支出管理を行うDAO財務ツールです。
他にも似たようなツールがあるのでご紹介!
Treasury Management
- Gnosis Safe:イーサリアムでデジタル資産を管理するための最も信頼できるプラットフォーム
- coinshift:複数のユーザーによる署名がないと資金管理ができないマルチシグ機能
- Llama:複数のユーザーによる署名がないと資金管理ができないマルチシグ機能
- MULTIS
DAOメンバーへの報酬支払い管理ツール
DAOを継続して運営していくためには、当然、報酬を支払う必要があります。
コミュニティにおけるメンバーの価値創造を測定し、報酬を与えるためのツールや、トークンを持っているユーザーに対しての継続的な報酬支払いを自動化するツールなど様々あるので、DAOによって何が必要なのか見極め使っていく必要があります。
Compensation
DAOとはいったい何なのか?まとめ
とても長い記事でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後にDAOを株式会社と比べたときにどう違うのか?
表にまとめてみました。
Dimension | 株式会社 | DAO | コミニティ |
---|---|---|---|
構造 | 階層構造 | その両方 | 分散構造 |
決定 | トップダウン | Both | ボトムアップ |
Speed | 早い | 時に早く時に遅い | 遅い |
モチベーション | 報酬次第で上下 | 両方 | 興味関心で上下 |
境界 | 閉鎖的 | 両方 | 開放的 |
現状、様々なDAOに入ってみたり、
実際にDAOに入って働いて報酬をもらっている方の話を聞いたところ、
DAOは、株式会社とコミニティの間を、
分野によってはコミニティ寄りであったり、株式会社寄りであったりと、まだまだ混沌としているのが現状のようです。
最良のDAOは、「株式会社とコミュニティのバランスをとることができる柔軟な組織を構築するDAOであると考えています。」
2022年、DAOはまだまだ確立されていない部分が多く、セキュリティ面での脆弱性を踏まえています。

現在、ネット上で探して見つかる活動がしっかりしているDAOは、数百ほどしかありません。
小さなDAOと名乗る組織は、もしかしたらすでに数千、数万あるのかもしれません。
株式会社以来のイノベーションであるDAO。
この革新的な流れに乗るためには、今すぐにでも動き出す必要があること間違いなしです。